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カウンセリング熊 アラン・アーキン著(2017年1月24日読了)

  • toyonobunkyokai
  • 2017年1月24日
  • 読了時間: 2分

友人の勧めでアラン・アーキン著の『カウンセリング熊』を読みました。

初版が1988年ということで、もう30年も前に発表された作品です。著者のアラン・アーキンは多才な方で、学生時代に演劇を学びその後ブロードウェイでも活躍。奥様のバーバラ・ダナさんとともに子供向きのレコードも作っておられます。

さて、この作品ですが、どんなお話なのか。

中心になるのは大熊、雌鹿、鴨、蛇、レミング。ある森の中の広場を舞台に進んでいきます。

ここに集まる動物たちは、何かに悩み、生き方がわからなくなり、この広場での繋がりによって自分で何かを見つけていきます。

雌鹿は誰とも口をききません、蛇は動物を食べるのをやめてしまいました、レミングは集団自殺してしまう自分たちの習性に疑問を持ちました。(実際のレミングは集団自殺しません、ただ古くからそのように言われています)

大熊というのはこの広場に集まる動物たちの指導者的立場です。

指導者である大熊が動物たちを諭し、導いていくのかというとそうではありません。

個々が考え、打ち明け合い、時には反発もしながら、自分たちで答えを見つけていきます。

大熊が唱える「誰もがライオンである」という考えが中心にあります。

もちろんレミングであり、蛇であったりするわけですから、「誰もがライオン」だといわれてもしっくりとはきません。ただ信じているもの、ライオンとは何なのか、本当に自分はライオンなのかと悩むもの。それに対し、大熊は答えは出しません。やっぱり自分で悩み考えるのです。

私は一時不眠のため、医者にかかりました。

そのときも医者は多くを語りませんし、なにか具体的な治療をするというのでもありません。ただ最近の様子をきき、何か問題があればさらにききます。こうすればいいとか、こういう風に治療しましょうといったことはしないのです。よく、「時間が解決する」と言います。実際には時間が解決するのではありませんが、時間の中で自分で自分を考えてみることで何かに気づき、癒しになるのだと思います。この物語でいう広場での日々がそうです。

一読して、なるほどと何かが得られたり、気づいたりすることは難しい作品です。

何度か読んでみて、自分を鴨においてみたり、蛇の気持ちになってみたり、大熊の心中を考えてみたり。いろんな立場で読んでみると、それぞれに気づきがあるように思います。

そして実際の生活にも置き換えてみるといいのかもしれません。

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